人探しの詐欺・悪質業者の手口契約トラブルを避ける7つの確認事項

探偵業は、公安委員会に届出をすれば開業できる業種です。そのため事務所ごとの実力差が大きく、消費生活センターには調査契約に関する相談が毎年寄せられています。人探しのご依頼では、依頼者が切迫した状況にあり、冷静な比較検討が難しいという事情も重なります。この記事では、実際に起きているトラブルの型と、契約前に確認すべき7項目を、同業の立場から率直にお伝えします。

監修者 戸塚敦士
監修

戸塚敦士(代表取締役・人探し専門探偵)

株式会社オブザーバー / 東京都公安委員会 探偵業届出 第30190011号

1995年の創業以来、所在調査を専門に従事し、これまで3,000件以上の人探し調査を解決。TBS「1億分の8」でスゴ過ぎる探偵として選出、テレビ東京「もう一度うちの子に会いたい」出演。本記事は実際の調査実務にもとづいて執筆・監修しています。

実際に起きているトラブルの型

型1:見積もりにない費用を後から請求される

最も多い型です。「調査費用30万円」と説明を受けて契約したところ、調査後に交通費、宿泊費、車両費、機材費、報告書作成費が加算され、総額が倍近くになるというものです。見積書に「調査料金」としか書かれておらず、何が含まれているかが明示されていないケースで起こります。

型2:調査が延長され、費用が膨らみ続ける

時間制のプランで起こりやすい型です。「もう少しで判明しそうです」という報告が繰り返され、延長を重ねた結果、当初の想定を大きく超える金額になります。総額の上限を定めていない契約で起こります。

型3:「成功」の定義がすり替わる

成功報酬型で問題になります。依頼者は「本人に会える状態になること」を成功だと考えていたのに、業者は「住民票上の住所が判明すること」を成功としていた、というずれです。住民登録地に本人が住んでいなくても報酬を請求される、という事態が起こります。

型4:調査の実態がない

契約後、進捗の報告がまったくない。報告書を求めると、インターネット検索の結果を並べただけの数ページが出てくる。当社にセカンドオピニオンとしてお持ちいただいた報告書の中には、現地調査を行った形跡がまったくないものがありました。

型5:不安をあおって契約を急がせる

「今日契約しないと手遅れになる」「他社では絶対に見つかりません」といった説明で、その場での契約を迫る型です。行方不明者を探す方は精神的に追い込まれていることが多く、この働きかけに応じてしまいやすい状態にあります。

型6:違法な手段を売りにする

「戸籍が取れる」「携帯番号から住所が分かる」「GPSを付けて追跡する」。いずれも正規の手段では実現できないか、法に触れるものです。依頼した側も無関係ではいられません。

探偵業の届出をしていない業者

探偵業を営むには、営業所ごとに都道府県公安委員会への届出が必要です(探偵業法4条)。無届けの営業は罰則の対象です。ウェブサイトに届出番号の記載がない業者、番号を尋ねても答えない業者は、この時点で候補から外してください。番号は「東京都公安委員会 第30190011号」のような形式で表示されます。

契約前に確認すべき7項目

当社に限らず、どこに依頼される場合でも、次の7点は必ず確認してください。すべて、まともな事業者であれば即答できる内容です。

1. 探偵業届出証明書の番号

公安委員会への届出番号を確認してください。証明書は営業所の見やすい場所に掲示する義務があります(探偵業法11条)。番号を明示していない、掲示していないという時点で、法令順守の姿勢に問題があります。

2. 重要事項説明書が書面で交付されるか

探偵業法8条は、契約前に書面を交付して重要事項を説明することを義務づけています。口頭の説明だけでは義務を果たしたことになりません。書面を出さずに契約を急かす業者は、この時点で法律上の義務を果たしていません。

3. 見積書に何が含まれているか

次の6項目が総額に含まれるかを、書面で確認してください。

  • 調査員の人件費(何名体制か、1日あたり何時間か)
  • 交通費・宿泊費(遠方に及ぶ場合の想定額)
  • 車両費・機材費
  • 報告書の作成費
  • 延長した場合の料金
  • 消費税

4. 総額の上限を契約書に明記できるか

予算が決まっている場合、上限を設定してもらってください。上限に達した時点で調査を止め、その時点までの結果を報告するという取り決めができれば、費用が際限なく膨らむ事態は避けられます。明記を渋る事業者は、延長を前提にしている可能性があります。

5. 「成功」の定義は何か

成功報酬型を選ぶ場合、これを確認せずに契約してはいけません。住所の特定までか、居住実態の確認までか、本人の写真撮影までか。同じ金額でも内容がまったく変わります。重要事項説明書に明記されているかを確認してください。

6. 発見できなかった場合、何が返金されるか

着手金型では原則として返金されません。成功報酬型では着手金のみの負担になります。時間制では実働分の負担です。この扱いを契約書で確認してください。「必ず見つけます」という説明には、この点の説明が抜けていることが多くあります。

7. 所在調査の実績があるか

探偵業で最も件数が多いのは浮気・素行調査です。所在調査とは必要な技能が異なります。「所在調査を年間どれくらい扱っているか」「私のケースと似た事例を扱ったことがあるか」「発見までどのくらいかかったか」の3つを聞いてみてください。実績のある事業者なら、具体的に答えられます。

説明の内容で見分ける

言葉づかいにも差が出ます。以下は、当社がご相談を受ける中で実際に見聞きした説明です。

警戒すべき説明なぜ問題か
「成功率99%です」算定根拠を確認してください。何を成功とし、どの案件を母数に含めたかで数字は変わります
「必ず見つけます」所在調査に絶対はありません。難しいケースを難しいと言えることが、むしろ実績の証です
「うちなら戸籍が取れます」探偵に職務上請求の権限はありません。不正な手段を想定している可能性があります
「電話番号から住所が分かります」通信事業者が民間に契約者情報を開示することはありません
「今日中に決めてください」比較検討をさせない意図があります。急ぐべきケースでも、書面の確認時間は必要です
「他社は素人同然です」自社の実績で語れない事業者ほど、他社の批判をします
「写真があれば顔認証で探せます」民間がそのようなデータベースを利用できる仕組みは存在しません

見積もりは複数社から取ってください

相見積もりは当然のことですので、遠慮は不要です。当社でもその場でのご契約はお願いしていません。書面をお持ち帰りいただき、他社の見積もりと比較したうえでご判断ください。比較の際は、金額だけでなく同じ質問を各社に投げて、回答の形式をそろえることをおすすめします。詳しい比較のしかたは失敗しない探偵の選び方にまとめました。

契約してしまった後にできること

すでに契約し、トラブルになっている場合の相談先を挙げます。

相談先対応する内容
消費生活センター(局番なし188)契約トラブル全般の相談。あっせんを行うこともあります
都道府県警察(生活安全課)探偵業法違反(無届け営業、書面の不交付など)に関する相談
弁護士支払った費用の返還請求、契約の無効・取消しの主張
法テラス収入等の条件を満たす場合、無料法律相談や費用の立替制度が使えます

相談の際は、次の資料を用意してください。

  • 契約書、重要事項説明書、見積書(交付されていない場合は、その事実自体が重要です)
  • やり取りの記録(メール、メッセージ、通話の日時のメモ)
  • 支払いの記録(振込明細、領収書)
  • 提出された報告書

書面が交付されていないこと自体が争点になります

探偵業法は、契約前の重要事項説明書の交付と、契約時の契約書面の交付を義務づけています。これらが交付されていない場合、業者側の法令違反となり、返還交渉において重要な材料になります。「書面をもらっていない」と思われる場合は、その点を明確に伝えてください。

依頼する側が気をつけること

トラブルの中には、依頼する側の認識とのずれから生じるものもあります。次の点は、あらかじめご理解いただきたい部分です。

  • 調査は「必ず見つかるサービス」ではありません — 情報量と経過年数によっては、到達できないことがあります。この可能性は契約前に説明されるべきものです
  • 所在が判明しても、再会できるとは限りません — 相手が接触を拒む場合、その意思は尊重されます
  • 目的が違法であればお受けできません — 探偵業法9条により、調査結果が犯罪や違法行為に用いられるおそれがある依頼は受けられません
  • 依頼者の情報も確認されます — 正式な契約時には、探偵業法にもとづく本人確認が必要です。これを求めない業者のほうが、むしろ問題です

当社では、初回のご相談で調査の見通しと概算費用をお伝えし、着手が難しいと判断した場合はその旨を率直にお伝えしています。まだご自身で試せることが残っていれば、その手順をお伝えして一度お引き取りいただくこともあります。無料でできる人探しの手段もあわせてご覧ください。

よくある質問

探偵業の届出番号はどこで確認できますか。

事業者のウェブサイトや広告に記載されているはずです。探偵業法により、届出証明書は営業所の見やすい場所に掲示する義務があり、書面にも記載されます。「東京都公安委員会 第30190011号」のような形式です。記載がない場合や、尋ねても答えない場合は、無届け営業か法令順守の意識が低い可能性があります。その時点で候補から外して差し支えありません。

見積もりより高額な請求をされました。支払う義務はありますか。

契約内容によります。契約書や重要事項説明書に追加費用の条件が明記され、事前に了承していた場合は支払義務が生じうる一方、書面での説明がないまま加算された費用については争う余地があります。まず消費生活センター(局番なし188)にご相談ください。契約書、見積書、やり取りの記録、支払いの記録を手元にそろえてから相談すると話が早く進みます。

成功報酬型なら安心ではないのですか。

「成功」の定義次第です。住所の特定までを成功とするのか、居住実態の確認や本人の確認まで含むのかで、同じ金額でも内容がまったく変わります。住民登録地が判明しても本人がそこに住んでいないケースは実務上よくあり、この場合に報酬が発生するかどうかは定義によります。契約前に重要事項説明書で必ず確認してください。

調査してもらったのに報告書の内容が薄いです。

何をどこまで調査する契約だったかを、契約書と重要事項説明書で確認してください。契約した範囲の調査が行われていない場合は、債務不履行として費用の返還を求める余地があります。インターネット検索の結果を並べただけで現地調査の形跡がないといった場合は、その報告書自体が証拠になります。消費生活センターか弁護士にご相談ください。

契約を急かされています。どうすればよいですか。

その場で契約しないでください。緊急性の高いケースであっても、重要事項説明書を読む時間と、他社と比較する時間は必要です。まともな事業者であれば、書面を持ち帰って検討することを妨げません。「今日中に」「今決めないと手遅れ」といった説明は、比較検討をさせないための手法である可能性が高いとお考えください。

他社の見積もりを持って、判断に迷っている方へ

ご相談は無料です。24時間365日、匿名でも承ります。
お話をうかがったうえで、ご自身で試せることが残っていればその手順をお伝えします。

電話で無料相談する 080-3463-3333