子どもが家出したら
未成年の行方不明で親がすぐにやるべきこと

子どもが家に帰ってこない。連絡もつかない。この状況で親が最初にすべきことは、迷わず警察に届け出ることです。未成年の家出は成人の場合と扱いが根本的に異なり、警察が保護のために動く対象となります。ためらう理由はありません。

監修者 戸塚敦士
監修

戸塚敦士(代表取締役・人探し専門探偵)

株式会社オブザーバー / 東京都公安委員会 探偵業届出 第30070036号

1995年の創業以来、所在調査を専門に従事し、これまで3,000件以上の人探し調査を解決。TBS「1億分の8」でスゴ過ぎる探偵として選出、テレビ東京「もう一度うちの子に会いたい」出演。本記事は実際の調査実務にもとづいて執筆・監修しています。

未成年は成人とまったく扱いが違う

成人が自らの意思で家を出ることは違法ではないため、警察は一般行方不明者として登録するにとどまり、積極的な捜索は行いません。しかし未成年の場合は事情が異なります。

18歳未満の少年が家出をした場合、警察は保護を要する少年として扱い、発見に向けた活動を行います。年少であること自体が、生命・身体に危険が生じるおそれがある事情として評価されるためです。

だから、すぐに届け出てよい

  • 「まだ数時間だから」と待つ必要はありません
  • 「大げさかもしれない」と遠慮する必要もありません
  • 夜間でも110番で受け付けられます
  • 後で本人が帰宅した場合は、届出を取り下げれば済みます

当社にご相談いただくケースでも、届出を数日ためらったことで初動が遅れ、発見が長引いた例が少なくありません。判断に迷ったら届け出る。これが原則です。

届け出るときに伝えるべきこと

警察の対応の優先度は、伝えた情報によって変わります。次の点は必ず具体的に伝えてください。

  • 年齢と学年、通っている学校
  • いなくなった日時と、最後に姿を見た場所
  • そのときの服装と持ち物(スマートフォン、財布、通学定期、キャリーバッグの有無)
  • 所持金の見込み(財布の中身、貯金を引き出した形跡がないか)
  • スマートフォンの番号と、契約者名義
  • 利用しているSNSのアカウント名
  • 直前のトラブル(学校での問題、家庭内の口論、交際関係)
  • 書き置きやメモの有無
  • 持病、服薬の有無

SNSでの交友関係は必ず伝える

近年、家出した少年少女がSNSで知り合った人物のもとに身を寄せる事例が急増しています。会ったことのない相手の家に泊まる、いわゆる神待ちと呼ばれる行為に及ぶケースもあり、性犯罪や人身取引の被害につながる危険があります。子どものSNSアカウントや、やり取りしていた相手の情報がわかれば、必ず警察に伝えてください。捜査の方向性が大きく変わります。

同時にやっておくこと

1. スマートフォンの位置情報を確認する

家族で位置情報共有アプリを使っている場合、あるいは端末の探す機能(iPhoneの「探す」、Androidの「デバイスを探す」)を設定している場合は、すぐに確認してください。ファミリー共有の設定であれば、親のアカウントから確認できます。

また、携帯電話会社の位置検索サービスを契約している場合も同様です。契約者が親であれば利用できます。

2. お金の動きを確認する

貯金を引き出しているか、電子マネーやプリペイドカードにチャージしているか。所持金の額は、行動範囲と滞在可能な日数を推定する重要な材料です。

3. 交通系ICカードの利用履歴

カードが手元にあれば、券売機で利用履歴を印字できます。手元になくても、記名式のカードであれば利用状況の照会が可能な場合があります。

4. 部屋を確認する

何を持ち出したかを確認してください。着替え、充電器、化粧品、教科書。持ち出したものから、短期の外泊のつもりなのか、長期の家出を想定しているのかが読み取れます。書き置きや、破り捨てたメモが残っていることもあります。

5. 友人・学校に連絡する

親しい友人、部活動の仲間、担任の先生に連絡してください。子どもが友人宅にいるケースは非常に多く、実際に最も高い割合で発見につながるルートです。

友人に連絡するときの伝え方

「叱らないから居場所を教えてほしい」と伝えることが重要です。友人は「言ったら怒られる」と思うと口を閉ざします。まず心配していることを伝え、責める意図がないことを明確にしてください。

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SNSでの拡散は慎重に

子どもの顔写真と氏名をSNSに投稿して情報提供を求めたくなりますが、未成年の場合は特に慎重な判断が必要です。

  • 無事に帰宅した後も、家出をしたという記録がインターネット上に残り続けます
  • 学校で知られ、本人が居づらくなる可能性があります
  • 進学や就職の際に、意図せず知られることがあります
  • 家出の理由(家庭の事情、いじめなど)が推測され、詮索されます

まずは警察と学校を通じた対応を優先してください。拡散を検討する場合も、警察に相談した上で、掲載する情報を最小限にすることをおすすめします。詳しくは「SNS拡散の危険性」をご覧ください。

発見された後が本当に大事

子どもが発見されたとき、多くの親御さんは安堵と怒りが同時に押し寄せます。しかし、ここでの対応が今後を大きく左右します。

まず「無事でよかった」と伝える

叱責から入ると、子どもは「やはり帰らなければよかった」と感じ、再び家を出る可能性が高まります。家出を繰り返す子どもの多くは、最初の帰宅時に強く責められた経験を持っています。

理由を聞く前に、話せる状態を作る

なぜ出ていったのかは、その日に無理に聞き出さなくて構いません。まず休ませ、食事をさせ、落ち着いてから聞くほうが本音が出ます。

背景に問題があることが多い

家出の背景には、家庭内の不和、学校でのいじめ、進路の悩み、交際関係のトラブル、精神的な不調など、何らかの事情があるのが通常です。単なる反抗と片づけず、原因に向き合う必要があります。

相談先対応してもらえること
児童相談所18歳未満の子どもに関するあらゆる相談。一時保護の対応も
学校のスクールカウンセラー学校生活に起因する問題の相談
子ども家庭支援センター家庭の状況を含めた継続的な支援
警察の少年相談窓口非行や被害に関する相談。各都道府県に専用窓口があります
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者いずれも無料で相談可能

一人で抱え込まず、これらの窓口を活用してください。

調査機関に依頼するケース

警察が動く事案であっても、民間の調査を併用することがあります。次のような場合です。

  • 警察に届け出たが、日数が経過しても手がかりがない
  • SNSで知り合った人物のもとにいる可能性が高く、その人物を特定したい
  • 友人関係からの聞き取りを、親以外の立場で行いたい
  • 他県に移動している可能性があり、広域での確認が必要

当社では、警察の活動と並行して、交友関係の聞き取りや、立ち寄り先の確認を集中的に行います。得られた情報は警察にも共有していただいて構いません。緊急性の高いご相談ですので、24時間受け付けています。

まとめ

未成年の家出は、警察が動く事案です。ためらわずに届け出てください。同時に、位置情報の確認と友人・学校への連絡を並行して進めることで、発見までの時間は大きく短縮できます。

そして、発見された後の関わり方が、再発するかどうかを分けます。まず無事を喜び、背景にある問題に向き合ってください。私たちも、ご家族の状況を踏まえたご相談に応じています。

よくある質問

警察に届け出ると、子どもが補導されて記録が残りますか。

行方不明者届の提出自体が、子どもに不利な記録として残ることはありません。発見時に警察が保護し、保護者に引き渡すという対応になります。非行行為があった場合は別ですが、届出をためらう理由にはなりません。

高校生でも警察は動いてくれますか。

18歳未満であれば保護を要する少年として扱われます。18歳・19歳の場合は成人と同様の扱いになりますが、事情によっては特異行方不明者と判断されることもあります。ためらわず相談してください。

子どもの携帯の位置情報を勝手に見てもよいのですか。

契約者が保護者であり、未成年の子どもの安全を確保する目的であれば、親権の行使として一般に許容されると考えられます。緊急時は迷わず確認してください。ただし、日常的な監視は親子の信頼関係を損なうため、平時の運用は別途話し合ってください。

友人の家にいるとわかった場合、どう対応すべきですか。

まず友人の保護者に連絡し、事情を説明してお礼を伝えてください。その上で、子どもと直接話す機会を作ります。いきなり迎えに行って連れ帰ろうとすると、子どもが再び逃げ出すことがあります。

家出を繰り返しています。どうすればよいでしょうか。

背景に解決されていない問題がある可能性が高い状況です。児童相談所や子ども家庭支援センターに継続的な相談をされることを強くおすすめします。家庭内だけで解決しようとせず、第三者の支援を入れてください。