「安否確認」と「所在調査」は目的が違う
実務では、この2つを分けて考えます。目的が違えば、必要な作業も、費用も、そして結果の受け取り方も変わるためです。
| 項目 | 安否の確認 | 所在の特定と接触 |
|---|---|---|
| 知りたいこと | 生きているか、無事に暮らしているか | どこにいるか、連絡が取れるか |
| 必要な作業 | 記録の照会、居住実態の確認 | 上記に加え、現住所の特定と意向の確認 |
| 相手への影響 | 気づかれずに終わることが多い | 接触する以上、相手の生活に影響する |
| 費用の傾向 | 範囲を限定できるため抑えられる | 接触の設計まで含むため高くなる |
| 依頼者の心の負担 | 断られるという結果が生じない | 拒まれる可能性を引き受ける必要がある |
ご相談の段階で「会いたい」とおっしゃっていた方が、話を進めるうちに「無事だと分かればそれでいい」に変わることは、実際によくあります。逆もまた然りです。どちらを選ぶかは、調査を始める前に決めておく必要はありません。所在が分かった段階で判断していただければ十分です。
まず自分で確認できること
費用をかける前に、次の順で確認してみてください。相手が親族であれば、これだけで答えが出ることがあります。
1. 戸籍を見る(親族の場合)
最も確実な方法です。人が亡くなると死亡届が出され、その事実は戸籍に記載されます。直系の親族であれば戸籍を請求できますので、生存しているかどうかはここで確認できます。親、子、祖父母、孫が対象です。配偶者も同一戸籍であれば確認できます。
戸籍の附票をあわせて請求すれば、住所の履歴も分かります。最新の住所に住民登録が残っており、除票になっていなければ、少なくとも書類上は生存していることになります。手順は戸籍の附票・住民票で人を探す方法をご覧ください。
2. 共通の知人に聞く
「元気にしているか知らないか」という尋ね方であれば、連絡先を教えることへの心理的な抵抗が生じにくく、返答が得られやすくなります。相手の近況だけを知りたいという趣旨を、そのまま伝えてください。
3. 公開情報を確認する
SNSの更新、事業をしているなら会社の登記や事業所の情報、資格職なら所属団体の名簿。定期的に更新されている記録があれば、それ自体が生存の証拠になります。
4. 実家・旧住所の状況を見る
表札、郵便受け、電気メーター。生活の痕跡があるかどうかは、外から見るだけでも一定の判断ができます。ただし、敷地内に立ち入ることはできません。
親族でない場合、公的記録は使えません
友人、元交際相手、恩師の生死を、戸籍で確認することはできません。この場合は共通の知人と公開情報が頼りになります。ここで行き詰まったときが、専門家に相談する段階です。
亡くなっている可能性を確かめる場合
安否確認のご相談には、すでに他界しているのではないかという懸念が含まれていることがあります。この場合、確認の経路は生存確認とは別になります。
- 戸籍を確認する — 親族であれば、死亡の事実は戸籍に記載されています
- 警察の身元不明者情報 — 各都道府県警察が、身元が判明していない遺体の情報を公開しています
- 行旅死亡人の公告 — 身元も引き取り手も分からない方については、市区町村が官報に公告します
- 行方不明者届を出しておく — 届出があると、身元不明の遺体が発見された際の照合対象になります
この確認は精神的な負担が大きく、どう調べればよいか分からないという方がほとんどです。手順は行方不明の家族が亡くなっていないか確かめる方法にまとめました。
調査に依頼する場合、どこまでを頼むか
安否の確認を目的とする場合、調査の範囲を限定することで費用を抑えられます。ご相談の際は、次のどこまでが必要かをお聞かせください。
| 範囲 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 生存の確認まで | 公的記録と居住実態から、生活していることを確認する | 15万円〜30万円 |
| 現住所の特定まで | 上記に加え、現在の住所を特定して報告する | 20万円〜40万円 |
| 意向の確認まで | 第三者として接触し、連絡を取る意思があるかを確認する | 30万円〜60万円 |
金額は手元の情報量と経過年数によって変動します。正確な見積もりは無料相談時にご提示します。料金体系の考え方は人探しの費用相場をご覧ください。
報告の受け取り方も相談できます
「住所までは聞きたくない」というご希望をいただくことがあります。知ってしまうと会いに行きたくなる、その衝動を自分で抑えられる自信がない、という理由です。調査の結果をどこまでお伝えするかは、着手前にご相談のうえ決めています。目的に照らして必要のない情報は、お伝えしないという選択もあります。
相手に気づかれるのではないかという心配
安否確認を迷われる方の多くが、この点を気にされます。「調べていることが相手に伝わったら、かえって関係が悪くなるのでは」という懸念です。
実務上、居住実態の確認だけであれば、相手が気づくことはほとんどありません。外から確認できる範囲の作業であり、相手に接触しないためです。一方、周辺への聞き込みを行う場合は、伝わる可能性がゼロではありません。どこまでの手法を使うかは、着手前にご相談のうえ決めます。「接触を伴う手法は使わないでほしい」というご希望があれば、その範囲で調査を組み立てます。
お受けできないご依頼
安否確認という名目であっても、相手が明確に接触を拒否している場合、過去にストーカー行為やDVの経緯がある場合はお受けできません。探偵業法第9条により、調査結果が違法行為に用いられるおそれがある依頼は受けてはならないと定められています。ご依頼の目的と対象者との関係は必ず確認させていただきます。
結果をどう受け止めるか
安否確認の結果は、大きく3つに分かれます。どれも起こりうることとして、あらかじめ心の準備をしておいていただきたいと思います。
- 無事に生活していることが確認できた — 最も多い結果です。多くの方が、その事実だけで区切りをつけられたとおっしゃいます
- すでに他界されていた — つらい結果ですが、ご仏前で手を合わせることができた、長年の宙ぶらりんの状態が終わったと受け止められる方も多くおられます
- 確認に至らなかった — 住民登録が職権で消除されている、記録が途切れているといったケースです。この場合、どこまで確認できたかを正直にご報告します
2つめの可能性については、ご依頼をお受けする前に必ずお伝えしています。長く連絡が途絶えているケースほど、この結果に至る割合は高くなるためです。それでも「分からないままでいるよりはいい」とおっしゃる方が大半です。
そして、無事だと分かったあとで「やはり会いたい」と思われたときは、その段階で改めてご相談いただければ結構です。順番を急ぐ必要はありません。
よくある質問
会うつもりはありません。生きているかだけ調べてもらえますか。
できます。実務では、生存の確認、現住所の特定、本人への意向確認という3段階に分けて考えており、どこまでを行うかは着手前に決めます。安否の確認だけであれば、相手に接触しない範囲の作業で完結することがほとんどで、費用も抑えられます。住所を知りたくないというご希望があれば、報告の範囲もあわせて調整できます。
親族なら自分で生存を確認できますか。
直系の親族であれば確認できます。人が亡くなると死亡届が出され、その事実は戸籍に記載されるためです。親、子、祖父母、孫の戸籍は請求できますので、まずご自身で戸籍を取得してください。あわせて戸籍の附票を請求すれば、住所の履歴も分かります。一方、兄弟姉妹や友人については、この方法は使えません。
調べていることが相手に伝わりませんか。
居住実態の確認だけであれば、相手が気づくことはほとんどありません。外から確認できる範囲の作業で、相手に接触しないためです。ただし、周辺への聞き込みを行う場合は伝わる可能性がゼロではありません。どの手法まで用いるかは着手前にご相談のうえ決めますので、接触を伴う方法を避けたいというご希望があればお申し付けください。
すでに亡くなっている可能性もあります。それも調べられますか。
調べられます。親族であれば戸籍で死亡の事実を確認できます。それ以外の経路としては、各都道府県警察が公開している身元不明者の情報、官報に掲載される行旅死亡人の公告があります。また、行方不明者届を出しておくと、身元不明の遺体が発見された際の照合対象になります。手順は関連記事で詳しく解説しています。
無事だと分かった後で、やはり会いたくなったらどうすればよいですか。
その段階で改めてご相談ください。安否の確認と接触は別の作業ですので、順番に進めていただいて問題ありません。むしろ、無事だと分かってから時間をおいて考えたほうが、ご自身の気持ちが整理された状態で判断できます。接触する場合は、調査員が第三者の立場で相手の意向を確認する方法をご提案しています。
無事かどうかだけ確かめたい方へ
ご相談は無料です。24時間365日、匿名でも承ります。
お話をうかがったうえで、ご自身で試せることが残っていればその手順をお伝えします。